くるしい
くるしい
くるしいんだ
 
 
いつだって みてきたのは
おまえの なきがお ばかりで
 
 
でも たまに みせる
はなが さいた みたいな
そらが はれわたった みたいな
そんな えがおが
 
 
すきだよ
すきだったんだ
 
 
でも
さいごに みたのは
やっぱり なきがおで
 
 
そんな かお
させたく なんて なかったのに
 
 
ただ いっしょに
いっしょに いたかったんだ
 
 
いっしょに わらって
いっしょに ごはん たべて
いっしょに えを かいて
なくときだって いっしょで
 
 
 
ごめん
ごめん
ごめん
 
 
 
おまえは いつだって
ありのままの おれと
 
はなして
おびえて
ないて
わらって
 
「おれ」と いてくれたのに
 
 
ないものねだりな おれは
おまえに もとめる ばかりで
 
 
おれが かってに
かってに つかれて
かってに はなれて
 
 
おまえは また なくのだろうか
 
 
 
…………やだ な
いや だな
 
 
まだ いってない のに
「すき」って いってない のに
 
 
 
もとめる だけで
おれは だいじな こと
なにも いってない のに
 
 
 
ごめん
ごめん
ごめん
 
 
 
やさしい おまえは
きっと なくのだろう
「おれ」が きえたら
きっと ないて しまう
 
 
 
かみさま
 
あんたが あいした あいつを
きっともう まもれない あいつを
 
どうか まもって
えがおを まもって
 
きずつく あいつから
「おれ」を けして
 
 
 
おもいで になって
おもにに なるなら
 
 
いらない
いらない
いらない
 
 
「おれ」が あいつの えがおを
うばうのは もういやだ
 
それなら あいつの なかから
「おれ」が きえて しまえばいい
 
 
かみに あいされた おまえなら
きっと みんなに あいされる
 
 
 
だいじょうぶ
だいじょうぶ だ
 
 
きっと おまえは
し あ わ せ  に ……
 
 
 
 
 
 
いやだな、じめんが つめたい
 
 
 
 
 
ローマに憧れて、追いかけて、でも疲れて、ボロボロになって。
それでも想うのはあの子のこと。
 
 
このあと、兄さんが引き取りに来ます。
 
 
 
 
 
09,05,24. up
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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